■2004年07月31日(土)7月アニメ総評 | 新作始まって色々楽しいんですが、今回は3作品に注目してみたいと思います。
「お伽草子」、「名探偵ポワロとマープル」、「蒼穹のファフナー」。
はい、そこ。駄作3兄弟なんていわない。だいたいそれを言った日にゃあ、昨今は1人増え、2人増え、ついには自らを巻き込んで駄作大家族とかになりかねません! え、違う? ……そうですか。
話を戻しましょう。この3作品、なんで選んだかと申しますと「過去のアニメ作品を彷彿とさせる」という共通点がございます。
「お伽草子」は「魍魎戦記MADARA」、「ポワロ&マープル」は世界名作劇場、「ファフナー」は色々混ざってますがやっぱりEVAでしょう。
作品そのものを見ていくと、あまり面白くないのですが、どうもこの「っぽさ」に引きずられてついつい見てしまいます。
「お伽草子」に関しては絵要素による部分も強いのですが、RPGチックな展開や運命拘束な雰囲気などMADARAの雰囲気を十二分に備えています。ストーリー原案に大塚英志という名前がないのが不思議なほどに。MADARAという作品を今更に考えてみれば、時代を変え品を変えあるいはジョカワールドに行ったり白倉由美ワールドにいったり。作品の定義をしようとするとちょっと困って、「霊性が人の全てを支配する」と答を出してみましょう。自分の存在に対する完全従属あるいは思考放棄、そんなのがMADARAの独特の雰囲気を生んでいたのであって、そして不思議なことに「お伽草子」もその雰囲気を持っています。時代背景独特のものか、あるいは演出家の個性でしょうか。とかくやっぱりMADARAっぽい。
「ポワロ&マープル」はもう言わずもがなですね。メイベルと良い意味でアニメらしくないアフレコが、原作から毒気と緊迫感をすっかり抜いてしまい、陰惨な事件でも口当たりよく万人向けに仕上がってしまいます。マスコットキャラに、女の子。そして日曜7:30という時間帯、多作品でそれなりに成功した監督。ただ、もしこれが他の時間にやっていたらあまり感じなかったかもしれない。つくづく、長年染みついた放送時間という感覚は抜けないものだなあと感じます。
で、「ファフナー」ですね。もうなんてーか、ツッコミどころが満載な当アニメでございますが、プロデューサーに大月氏の名前を見かける段に到っては最早生暖かい笑顔を向けてあげるしか手はありません。これが仮に、とてもとても面白くなっていったとしても、これ単体で評価されることは決してないでしょうね。そういう意味での不幸さに、僕は今日も見てしまいます。まあなんですか、次回はフェイトさん現象のようですね。キャラクターの死が作品に対して自在にリアリティを与えられるなんて考えているのならば、そろそろ考えを改めるべきだし、わかっててやってるなら、ちょっと視聴者をなめすぎですと。アレこんな話になる予定ではなかったな。
上記3作品、いずれもある程度似せてやろうとしているものと思われます。ただ、ファフナーに関してのみそれが悪い方に行かないかと、いやもう実際行ってるんですが。似ていると、真似はまた違うのです。 |
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